「止まらない地価と物価の上昇」
首都圏の家賃相場を踏まえた賃料改定の手引き

首都圏では家賃が上昇。
税金・物価も上がる中で見直しが必要に
ここ数年、関東圏を中心に家賃相場が上昇しています。 国土交通省の「住宅・土地統計調査」や不動産ポータル各社のデータを見ても、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県などでは、特にワンルーム・1Kといった単身者向け物件を中心に、2019年から2025年の間に平均で約10〜15%程度の上昇が見られます。
たとえば、LIFULL HOME'Sマーケットレポート2025年によると、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の賃貸物件の掲載物件平均賃料は、シングル向き物件が82,189円(前年同期比+6.0%)、ファミリー向き物件が137,719円(同+5.7%)と過去最高賃料を更新しています。東京都の物件に限ると、シングル向きの掲載賃料が100,155円で初の10万円台となりました。 特に東京23区では、シングル向きが116,557円で前年同月比+15.1%、ファミリー向きが230,510円で前年同月比+8.9%と、首都圏の掲載賃料上昇を牽引しています。
家賃が上がっている背景には、建築資材や人件費の高騰、物価全体の上昇、税負担(固定資産税や都市計画税など)の増加、新築・リノベーション物件の増加による競争力格差といった要因があります。特に固定資産税や都市計画税は、地価上昇に伴って課税評価額が上がることで、オーナーの負担も増えています。2023年度の東京都区部の地価は前年比+6.4%(住宅地)、一部の商業地では+8%を超える上昇もありました。神奈川県では令和6年地価公示で住宅地の平均変動率が +3.2%(前年 +2.1%)という上昇傾向が報じられています。
つまり、首都圏の市場では、「現行家賃水準が相対的に高まってきている」+「地価の上昇傾向」という環境が成立しており、オーナーとして「今の家賃は適正なのか?」と、賃料の適正性を見直すことは、経営上の必要な判断といえます。
家賃を上げることはできるのか?
「家賃を上げたい」と思っても、法律的に自由に上げられるわけではありません。 賃貸借契約は「借地借家法」によって保護されており、特に居住用物件では借主(入居者)の権利が強く守られています。
借地借家法第32条には、次のように定められています。
【地代または家賃の額が、土地若しくは建物の価格の上昇・低下、その他の経済事情の変動により不相当となったときは、当事者は将来に向かってその増額または減額を請求することができる。】
つまり、「経済事情の変化によって、現行家賃が不相当となったとき」には、家賃の改定を求めることができるとされています。 具体的にはー
・周辺相場が大幅に上昇している
・固定資産税などの負担が増加している
・物価が上昇している
・建物の改修、設備のグレードアップを行った
といった事情がある場合、家賃の増額請求が「正当な理由」として認められる可能性があります。 ただし、入居者の合意なしに一方的に上げることはできません。 借主が同意しない場合には、裁判所での調停や訴訟によって「相当額」を判断されることになります。
入居中でも上げられる?
多くのオーナーが悩むのが、「今入居している人の家賃を上げることができるか」という点です。 結論から言えば、契約内容によって可能な場合もあります。 賃貸借契約書の中には、「契約期間中であっても、経済事情その他の理由により賃料改定を行うことがある」といった賃料改定条項が含まれている場合があります。この条項がある場合、条件を満たせば契約期間中でも増額交渉を行うことができます。ただし、実務上は以下のようなプロセスが必要になります。
①改定の根拠を示す(相場データ、税負担の増加など)
②書面で借主に通知・説明
③借主が合意した場合、覚書などで新賃料に合意
④借主が拒否した場合は、法的手続き(調停・訴訟)も選択肢
また、契約更新時(2年ごとの更新など)に合わせて賃料改定を提案する方法もあります。 この場合は「更新条件の変更」として扱われ、借主が同意すればスムーズに進みやすいです。つまり、「入居中でも絶対に上げられない」というわけではありません。
賃上げ交渉で起こりうるトラブルとリスク
賃料改定は、オーナーにとっては当然の経営判断であっても、入居者にとっては「突然の負担増」に映ることがあります。 そのため、伝え方や進め方を誤ると、トラブルに発展するケースも少なくありません。
よくある事例としてはー
・借主が値上げに応じず、関係が悪化する
・家賃の支払い拒否
・借主が退去して空室リスクが発生する
・一方的な通知として扱われ、信頼を損なう
・訴訟や調停に発展し、時間とコストがかかる
特に長期入居者ほど、家賃が相場より低くなっている傾向がありますが、同時に「長く住んでいる安心感」から、値上げに抵抗を示すことが多いです。 そのため、「どう伝えるか」「どんな根拠を示すか」が非常に重要です。 賃料改定を通じて得られる増収額が、トラブル対応にかかる時間的・心理的コストを上回らないこともあります。 したがって、オーナー単独で行うよりも、専門的な管理会社を介して進める方が安全といえます。
賃料改定を成功させる鍵
トラブルを防ぐためにできること
-
Point 01
根拠
相場データや物価上昇率、税負担の増加など、客観的な数字をもとに「なぜ今値上げが必要なのか」を明確にすること。 感覚的な説明ではなく、データに基づいた説明が入居者の理解を得る第一歩です。近隣同類物件の成約事例などを提示するのが望ましいです。
-
Point 02
タイミング・伝え方
更新時やリフォーム後、設備グレードを上げたタイミングなど、入居者が納得しやすい時期を選ぶこともポイントです。伝え方も「値上げします」ではなく、「昨今の税・諸物価の上昇、建物の維持管理を継続するために、適正賃料への見直しをお願いしたい」といった丁寧な説明が求められます。
-
Point 03
代替案
場合によっては値上げに代えて、軽微なリフォーム(クロス張替えや設備更新)、更新料の調整など、双方が納得できる代替案を提示するのも有効です。
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